アプロサイエンスメディア掲載情報

|||質量分析で自動化ライン 今秋本格運用 能力30倍強に

たんぱく質の構造分析の受託サービスなどを手掛けるアプロサイエンス(徳島県鳴門市、真島英司社長)は分析手法のひとつである質量分析用の自動化ラインを構築した。九月から試験を始め、十月下旬完成予定の新本社(同市)に移設して本格運用を始める。分析処理能力は従来の三十倍強に高まるという。急成長が見込まれる同分野の体制整備を進め、二〇〇四年に株式公開を目指す。

新ラインは約五センチ角の分析プレートにサンプルを配置していく前処理装置、それを分析する中核の質量分析装置と、パソコンベースのデータ解析装置の三ユニットで構成する。自動運用ソフトも組み合わせてすべての工程を人手に頼らない環境に仕上げたという。
同社では新旧ラインの単純な能力比較は難しいとしているが、およそ百のサンプル充填用の孔を持つ分析用プレート一枚を前処理するのに従来は千分かかっていたのが、三十分程度で済むようになると話している。分析・解析装置などを先行導入していたため、新ライン導入に要した今回の投資額は約千二百万円という。

質量分析はたんぱく質の重量変化を基に通常のものか、病気で細胞内に生じたものかを素早く判断するのに適した分析手法。配列構造を丹念に点検していくアミノ酸配列分析と並んで、たんぱく質の役割を解明して新薬開発などを進めるのに欠かせない分析手法といわれており、アプロサイエンスの強みは両方の分析サービスを手掛けている点だ。

十月下旬には鳴門市複合産業団地(鳴門市瀬戸町)内に新本社が完成することになっており、これに合わせて今後特に伸びが見込まれる質量分析の自動化ラインの導入を決めた。アプロサイエンスは一九九〇年の設立で、大学や医薬品メーカーを主な顧客に、ポスト・ゲノム(人間の全遺伝情報)として注目されるたんぱく質の構造分析の受託サービスなどを展開している。二〇〇二年四月期の売上高は約一億九千万円。

日本経済新聞 2002年8月31日