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||| ノウハウを持つ専門家に任せたほうが早い

■1次構造解析と質量分析

 1次構造解析(配列解析)や質量分析は、技術的には成熟しつつあり、手法はほぼ確立されている。
 たんぱく質試料を酵素分解し、アミノ酸配列を読んでいくのが1次構造解析だ。N末端から解読していくN末端配列解析、N末端がブロックされていてそこから解読できない場合に適用する内部配列解析、C末端から解読していくC末端配列解析がある。対象が未知たんぱく質の場合、解読した配列はその遺伝子を見つけるためのプロープ(釣り針)として使用する。既知たんぱく質の解析データは、そのたんぱく質が求めるたんぱく質と一致しているかを確認する、たんぱく質同定に使う。

 これらの1次構造解析は、読み取るアミノ酸配列の長さによって価格は変わる。N末端配列は5アミノ酸の読み取りで7万円前後。内部配列解析は30万円台から。納期は1週間程度だ。

 質量分析は、その名のとおりたんぱく質の質量を測定する。一度ペプチドまで分解し、それらの質量を測り、結果をデーターベースと突き合わせることで、たんぱく質の種類を特定する目的にも使われる。質量分析も、どの段階から依頼するかによって価格・納期は変わる。たんぱく質の質量を測定するだけであれば価格は5万円程度からだが、事前のたんぱく質の精製や事後データー評価などを含めると、35万円を越える。

 検査機器メーカーである島津製作所は、本業の検査機器販売と相反するようだが受託事業を開始している。1次構造解析と質量分析を行っているが、今のところ販売と受託事業が競合することはなく、受託で性能を確認した後、機器を購入する顧客もいるという。現在は京都で受託事業を行っているが、今年秋にはつくばにも拠点を設ける計画だ。

 技術が成熟しつつあると言っても、検査機器の調節や、取り扱いノウハウの面での差別化を図る受託企業もある。アプロサイエンス(徳島県)は、1995年から1次構造分析の受託を行っている。試料が微量でも解析を行えるのが強みだ。分析機器1台に1人の担当者を付け、機械の癖をつかみ厳密なデータを出す。

 昨年秋からは質量分析の受託も開始。液体クロマトグラフィー(LC)と飛行時間分析型・4重極型ハイブリット質量分析器(Q-Tof/MS)を接続し、たんぱく質の同定を行う。現在、1次構造解析は、精製など測定の前処理の段階からのもので年間500個の試料を引き受けている。配列の読み取りだけであれば試料は1000個に達するという。質量分析に関しては、まだ受託開始から間もないが、年間1000個の試料の受け入れを見込んでいる。今年4月には、ハイスループットでの大量処理が可能な、マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析器(MALDI-TOF/MS)も導入予定で、ハイスループットでの質量分析も受託できる体制を整える。

日経バイオビジネス 2002年3月号 (p.74〜77)