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日本経済新聞 2000年(平成12年)2月10日
徳島のアプロサイエンス たんぱく質”分析”高精度に
医薬品など活用期待 5月に最新鋭装置を導入
たんぱく質の内部構造分析のベンチャー企業、アプロサイエンス(徳島県鳴門市、金敦祚社長)はたんぱく質を構成するアミノ酸配列を従来の五十倍程度の感度で分析する方法を開発した。配列が分かれば有用なたんぱく質を大量に複製できるようになり、医薬品を中心に幅広い分野で商品開発に利用できる。微量の試料も分析出来る点をアピールして研究機関や企業などから分析の受託拡大を図るとともに自社主導の商品開発にもつなげる計画だ。
たんぱく質は二十種類のアミノ酸が鎖状につながったひものような構造。アミノ酸配列を分析する一般的方法は試料のたんぱく質のペプチド(アミノ酸が結合した分子)を配列分析装置にかけ、ペプチドの「N末端」と呼ばれる部分からアミノ酸を順次特定する。
しかしN末端が化学反応により別の物質と結合すると分析出来ない。結合する確率は五〇%以上のためN末端から分析できる可能性は半分以下にとどまる。
同社はN末端からではなく、ペプチド内部からアミノ酸配列を分析する方法を採用した。分析するペプチドは酵素の作用で切断したたんぱく質の断片から回収する。切断する際には特殊な酵素を使ってペプチドの回収効率を高め、一連の分析過程で温度などの条件を独自のノウハウで管理。二ピコモル(モルは物質量の単位、ピコは一兆分の一)の試料で一〇〇%に近い確率で分析できるという。
内部配列分析を受託している企業は同社以外にもあるが、これまで百ピコモル程度のたんぱく質試料が必要だった。分析感度向上により微量にしか存在しないたんぱく質の内部構造を解明できる可能性が高まる。同社の分析技術と事業の将来性は外部の専門家にも高く評価されており、昨年十月には徳島ニュービジネス大賞の最優秀賞に選ばれた。
同社は分析受託件数の拡大を見込み、五月に最新鋭のペプチド質量分析装置を導入し、分析過程の効率向上を図る。一方、受託ではなく自社主導による未知のたんぱく質の発見にも努め、自社名義での特許取得を目指す。
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